指定正味財産の受入から取崩までの会計処理と、それに伴い財務諸表がどのように変化するか確認してみましょう。
指定正味財産の受入
寄付者からの制約がある寄付金¥100を普通預金に受入れます。
(仕訳①)
普通預金(流動資産) 100 / 受取寄付金(指定正味財産増減の部) 100
この仕訳により財務諸表↓は以下のようになります。
特定資産への積立
普通預金(流動資産)に受け入れた寄付金を特定資産に振替えます。
(仕訳②)
特定資産(固定資産) 100 / 普通預金(流動資産) 100
仕訳②を起票することにより、財務諸表↓は以下のように変化します。
特定資産から普通預金に振替
事業活動に支出するために特定資産から普通預金に振替えます。
(仕訳③)
普通預金(流動資産) 100 / 特定資産(固定資産) 100
仕訳③を起票することにより、財務諸表↓は以下のように変化します。
一般正味財産への振替
指定正味財産から一般正味財産へ振替を行います。
(仕訳④)
一般正味財産への振替(指定正味財産増減の部)100 / 指定正味財産からの振替(一般正味財産の部)100
*仕訳④で使用している「指定正味財産からの振替」という勘定科目名は便宜上使用しております。
仕訳④を起票することにより、財務諸表↓は以下のように変化します。
事業費への支出
普通預金(流動資産)から事業への支出を行います。
(仕訳⑤)
事業費(一般正味財産増減の部)100 / 普通預金(流動資産)100
仕訳⑤を起票することにより、財務諸表↓は以下のように変化します。
少しご説明が長くなりましたが、この一連の流れが指定正味財産に関する基本的な処理となります。
*今回の例では、指定正味財産の受入と取崩を同一年度内に行われた形になっています。受入と取崩を同一年度内で行うことが当初から明らかな場合は、指定正味財産として受け入れることなく、最初から一般正味財産として受け入れる処理も認められています。